イライラが「頭の中の映画」になって止まらない
腹が立った出来事そのものより、そのあとの時間のほうが長い。そんな経験はありませんか。
誰かのひとことが引き金になった日のことです。その場を離れて外を歩き、空気に触れて少し落ち着いた。それなのに、頭の中ではまだ相手への台詞を探し続けていました。もう終わったはずの場面が、何度も再生される。あの「頭の中の映画」が止まらない感覚です。
あとで気づいたのですが、感情が高ぶるとき、私の場合は身体のほうが先に動いていました。胸のあたりがぎゅっと詰まる、奥歯を噛みしめている──考えがぐるぐるし始める前に、身体が小さなサインを出していたんです。
その夜、Awarefyの三コラム法を試しました。B列(自動思考)に書いたのは「あの人はこうすべきだった」という一文。書いてはじめて、はっとしました。この”すべきだった”は相手に向いているようでいて、本当は自分の中にあった基準なんだ、と。
使ったのは、認知行動療法(CBT)のワークのひとつ 三コラム法 です。メンタルケアアプリ Awarefy に用意されているものを、日々の気持ちを整理するセルフケアの範囲で試しました。専門的な診断や治療の代わりになるものではありません。
三コラム法とは──CBTでよく使われる「ほどく」ための型
ざっくり言うと、出来事(A)/そのとき頭に浮かんだ考え(B)/感情や身体の反応(C) の三つに分けて書くだけの整理法です。専門家のセッションでも使われますが、日々の自己練習として一人でも取り入れられます。
大事なのは、「考え」と「事実」を混ぜないこと。人は放っておくと自動的に解釈を重ねてしまうので、怒っている瞬間ほど、自分の解釈が事実そのものに見えてしまいます。
- A(出来事): 第三者が見ても同じように言える範囲に寄せる
- B(自動思考): 「〜のはず」「〜に違いない」など、頭の中のセリフ
- C(感情・反応): イライラ、不安、胸のつかえ など
きれいな文章にする必要はありません。浮かんだままで十分です。
Awarefyで三コラム法をやってみた感触
Awarefy は CBT やマインドフルネスをベースにした セルフケア向けのアプリで、三コラム法のように 思考を書き出すワークが用意されています(画面や名称はアップデートで変わることがあるので、詳しくはアプリで確認してみてください)。
私にとってよかったのは、次のようなところでした。
- スマホで完結するので、イライラが残っているうちに短時間で書ける
- 「書かなきゃ」という長文のプレッシャーが少ない(項目に沿って埋めるだけ)
- 必要なときは ファイさんに一文添えて、整理のきっかけをもらえる
書き続けているうちに見えてきたのは、B列には決まって「相手が〜すべきだった」という文が最初に出てくる、ということでした。これはごく自然な反応だと思います。ただ、その欄を埋めていくと、下のほうに 「そう期待していたのは、自分だ」という根っこが顔を出すことがあります。
ある夜、B列に「こんな対応はないはずだ」と書きました。その下の空白に、ふと「そう思っているのは、自分だけかもしれない」という言葉が浮かんだんです。相手が基準を外れたから腹が立ったというより、自分の中の”ものさし”に相手が届かなかったからだった。怒りの正体が相手ではなく自分の側にあると気づいた瞬間の感覚は、正論で言い負かすのとはまるで違いました。
もうひとつ、腑に落ちたことがあります。怒りが湧いてくるのは、相手が悪いからというより、そのとき自分の心が少しざわついているサインなのかもしれない、と。そう思えると、相手を言い負かすことよりも、自分を落ち着けることのほうに、自然と目が向くようになります。
もちろん、一度書いたくらいで怒りが消えるわけではありません。それでも、「渦の真ん中にいる自分」と「一歩引いて欄を埋めている自分」を行き来できるようになると、あの反芻のループが少しだけ短くなる──そんな手応えはありました。
あなたの心のゆとりをつくる
AIメンタルパートナー【Awarefy】
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向いていると感じる人
- 「なんでこんなに腹が立つんだろう」と自分でも理由が曖昧なとき
- 怒りのあとに 自己嫌悪が続きやすい(解釈の癖を観察したい)
- 本を読むほどではないが、型に沿って書くほうが手が動く
Awarefyの料金——AIパートナープランがおすすめな理由
あの夜の気づきは、一度きりでは終わりませんでした。B列に「相手が〜すべきだった」と書く癖は、そのあとも何度も出てきます。書いたものがたまって、どの回でも同じ形の文が最初に来ると見えたとき、ようやく腹に落ちました。私は自分のものさしを、相手の話として書いていたのだと。一枚だけなら「あの日は虫の居所が悪かった」で片づけていたと思います。記録をまとめて見返せることと、書いたあとにワークを足せること。私が有料のAIパートナープランを使っている理由は、その二つです。
腹が立った夜に三コラムを一度だけ埋めて閉じる、という使い方なら、無料の範囲でもできます。
怒りを消すより、まず「分けて」みる
怒ること自体は、悪いことではないと思います。ただ、解釈と感情がぴったりくっついたままだと、消耗だけが残ってしまう。
三コラム法は、「正しい考えに書き換える」よりも前に、まず分けるための道具だと思うと気楽に使えます。事実と、自分のものさしと、そのとき湧いた感情。ばらばらにして眺めるだけでも、「頭の中の映画」の音量が少しだけ下がります。Awarefy はその練習の場として、私には合っていました。
感情記録がそもそも続かないという「完璧主義のループ」については第1話「完璧主義で日記・感情記録が続かない人へ」で、「誰にも言えないモヤモヤをファイさんに吐き出す」使い方については第2話「誰にも言えないモヤモヤ、AIに吐き出したら少し楽になった話」でそれぞれ書いています。
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関連する体験談: 第15話「CBT入門・自動思考」 / 第19話「ルミネーション」